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コラム

住まいの生物劣化② 腐朽菌について

2023.03.24

こんにちは。

HookPekの福田です。

前回の投稿では「シロアリ被害」について解説しました。

日本の住まいは木造建のものが多く、木造住宅を痛める危険性があるものに「蟻害(シロアリ食害)」「腐朽菌」「甲虫類による食害」があり、これらをまとめて生物劣化といいます。

今回はその中から「腐朽菌」について解説していきます。

腐朽菌とは

腐朽菌とはとても簡単に言うと、キノコです。

とはいっても食卓に並ぶような食用のキノコではありませんが、シイタケなどのキノコも菌類として分類されており、菌類は単体の胞子が繁殖集合してキノコの形を形成します。

菌類が繁殖するための胞子は1000分の1mmほどの小さな粒子で空気中のいたるところに存在しており、木材にも付着しています。

しかし、腐朽菌は付着しただけでは繁殖せず、被害にもなりません。

腐朽菌が繁殖する原因

付着しただけでは無害な腐朽菌ですが、ある要素が加わると繁殖し木材に害を与えます(この現象を腐朽という)。

ある要素とは木材に含まれる水分です。

以下詳しく説明していきます。

木材に含まれる水分について

住まいに使用される木材には水分があります。

木材にどれほど水分が含まれているかという目安に「含水率」というものがあり、通常の木材ではこの含水率は12~15%ほどと言われています。

この状態を気乾といい、腐朽菌はこの状態で繁殖することはありません。

しかし、湿度が高い場所にある木材は徐々に周囲の水分を吸収(吸水)し、内部の含水率は上昇していきます。

腐朽菌は含水率が28%を超えてくると繁殖しはじめるため、木材にも症状が出始めます。

腐朽の段階

腐朽菌が繁殖し始めると胞子が発芽し、菌糸と呼ばれる白い綿状、膜状の付着物として木材表面にあらわれます。

腐朽が進むと木材が褐色化し、強度の低下や木材の変形などが生じます。

また腐朽菌の種類によっては白色化しささくれが生じることもあります。

腐朽が進行することで木材にひび割れを起こしたり、キノコなどが繁殖することもあります。

腐朽しにくい種類の木材

腐朽菌が繁殖しにくい木材として、「ヒノキ」、「ヒバ」、「クリ」などがあります。

これらの木材は水分に強く、また抗菌性を持っているため繁殖を抑えることができ、そのため浴室など湿度が高いところなどで使用されます。

対策

前述したように、湿度が腐朽菌の繁殖を進行させる原因となるため、なるべく乾燥させる工夫が必要となってきます。

換気をしたり、吸水効果のある木炭などを使用し、水分を留めない工夫をすることをお勧めします。

また、腐朽菌の繁殖は室内では確認しづらいため、定期的に意識して確認をするようにしましょう。

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