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コラム
ケレン作業が鉄部塗装を長持ちさせる!ケレン作業の重要性
外壁塗装
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執筆・監修:株式会社HookPek 代表 福田 (住宅メンテナンス診断士)
鉄部塗装は、錆止めや仕上げ塗料を塗る前の「ケレン作業」で結果が大きく変わります。浮いた錆、密着していない旧塗膜、粉化物、油汚れなどが残ったままでは、新しい塗膜が下地ではなく弱った層へ付着するためです。
一方で、ケレンは鉄部を無条件に全部むき出しにする作業ではありません。健全な旧塗膜を残すか、全面除去するか、塗装では直せない腐食がないかを判断し、下地と塗装仕様に合う状態へ整える作業です。
この記事の結論
ケレン作業は、錆を削るだけではなく、鉄部が塗装で保護できる状態かを見極める工程です。
- 浮いた錆、剥離・膨れ・割れのある旧塗膜、粉化物、油汚れを除去する。
- 密着している活膜は、仕様に応じて残し、表面を目荒らしする。
- 旧塗膜との段差をなだらかにし、新しい塗膜の端部剥離を抑える。
- 清掃後、素材と上塗りに合う錆止め・プライマーを塗る。
- 穴あき、著しい薄さ、変形、ぐらつきは塗装せず補修・交換を検討する。
耐久性は「何種ケレンか」だけでは決まりません。錆の除去状態、下塗り、膜厚、乾燥、雨水がたまる納まり、部材の腐食状態をまとめて確認します。
この記事は、こんな方に向けて書いています
- 門扉、手すり、階段、シャッター、車庫に錆が出ている方
- 錆の上から塗るだけではなぜ駄目か知りたい方
- 1種・2種・3種・4種ケレンの違いを知りたい方
- 見積書の「ケレン一式」の内容を確認したい方
- 錆止め塗料と上塗り塗料の役割を知りたい方
- 塗装で直せる状態と、補修・交換する状態を分けたい方
ケレン作業とは|塗装前に金属表面を整える素地調整
ケレン作業とは、塗装する金属面から錆、浮いた旧塗膜、粉化物、汚れなどを除去し、新しい塗料が付着できる状態へ整える作業です。仕様書では「素地調整」「下地調整」と表記される場合があります。
表面を滑らかにするだけではなく、必要に応じて細かな傷を付ける「目荒らし」を行い、平滑で艶のある旧塗膜へ新しい塗料が密着しやすい状態をつくります。
ケレン作業を行う4つの目的
1.弱い層を取り除く
新しい塗料を浮いた錆や剥がれかけた旧塗膜へ塗っても、下の弱い層ごと剥がれます。まず密着していない部分を取り除きます。
2.塗料の密着を確保する
粉、油、汚れ、光沢の強い旧塗膜が残ると密着不良につながります。清掃と目荒らしによって塗装可能な表面へ整えます。
3.錆の範囲と金属の厚みを確認する
錆を落とすと、腐食の深さ、穴、薄くなった部分、溶接部や固定部の傷みが分かります。ここで塗装・補修・交換を分けます。
4.下塗りの性能を発揮させる
錆止め塗料は下地へ密着して性能を発揮します。汚れや浮いた錆を覆い隠す材料ではありません。
1~4種ケレン相当の違い
| 区分の目安 | 主な仕上がり | 主な方法 | 住宅での位置づけ |
|---|---|---|---|
| 1種ケレン相当 | ブラストで錆・旧塗膜を全面除去し、清浄な鋼面を露出 | ブラスト処理 | 橋梁・大型鋼構造物などが中心。一般住宅では通常行わない。 |
| 2種ケレン相当 | 錆・旧塗膜を全面的に除去し、鋼面を露出 | ディスクサンダー等の動力工具、手工具 | 劣化が広範囲で全面除去が必要な場合。粉じん・火花・作業量が多い。 |
| 3種ケレン相当 | 密着した活膜を残し、錆と割れ・膨れ・剥離した不良塗膜を除去 | 動力工具、ワイヤーブラシ、スクレーパー等 | 住宅の鉄部塗り替えで中心となる考え方。 |
| 4種ケレン相当 | 粉化物・汚れを除去し、健全な塗膜を軽く目荒らし | サンドペーパー、研磨パッド、清掃 | 錆が少なく旧塗膜の密着が良好な部分。 |
種別の正式な定義・工具・要求水準は工事仕様書によって異なります。住宅見積もりでは、番号だけでなく施工内容を確認してください。
住宅の門扉・手すり・車庫では、部分ごとにケレン方法を変える
一つの鉄部でも、錆が出た部分、健全な旧塗膜、溶接部、雨水がたまる下端で状態が異なります。そのため、全面を同じ強さで削るのではなく、部分ごとに工具と処理範囲を変えます。
- 錆・膨れ・剥がれ部分:不良部を除去し、必要に応じて動力工具を使用
- 健全な旧塗膜:洗浄・脱脂後、軽く目荒らし
- 旧塗膜と露出金属の境界:段差をなだらかにするフェザーエッジ処理
- ボルト・溶接部・折り曲げ部:錆が残りやすいため重点確認
- 下端・水平面・雨水がたまる箇所:腐食の深さと排水を確認
残せる「活膜」と、除去する「不良塗膜」
| 状態 | 判断の目安 |
|---|---|
| 活膜として残す候補 | 下地へ密着し、膨れ・割れ・剥離がなく、目荒らし後に上塗りできる旧塗膜。 |
| 除去する不良塗膜 | 浮き、膨れ、割れ、端部剥離、層間剥離、錆で持ち上がっている塗膜。 |
| 判断保留 | 塗膜の種類が不明、溶剤で縮れる、厚く重ね塗りされている、広い範囲で密着が不安定。 |
外観がきれいでも密着が悪い場合があります。必要に応じて試験施工や付着状態の確認を行い、旧塗膜と新しい塗料の相性も確認します。
ケレン作業に使う主な工具
| 工具 | 向いている作業 | 注意点 |
|---|---|---|
| スクレーパー・皮すき | 浮いた塗膜、厚い剥離部の除去 | 端部や薄い板を傷付けない。 |
| ワイヤーブラシ | 軽い錆、凹凸部、細部の清掃 | 錆を磨いて残すだけにならないよう確認。 |
| サンドペーパー・研磨パッド | 目荒らし、段差処理、小面積 | 研磨粉を清掃してから塗装。 |
| ディスクサンダー | 広い錆・不良塗膜、強い下地処理 | 火花、粉じん、騒音、削り過ぎ、薄板の損傷。 |
| カップワイヤー・電動工具 | 凹凸・広範囲の錆除去 | ワイヤー破片の飛散、回転工具への巻き込み。 |
| 集じん機・清掃用具 | 研磨粉・錆片の回収 | 粉じんを周囲や排水へ拡散させない。 |
ケレンを含む鉄部塗装の正しい手順
1.素材と腐食状態を調査
鉄、亜鉛めっき、アルミ等を確認し、錆の深さ、穴、ぐらつき、旧塗膜の密着を確認します。
2.周囲を養生
車、窓、植木、室外機、床、隣地を保護し、粉じん・錆片・火花の飛散範囲を管理します。
3.洗浄・脱脂
泥、塩分、油、チョーキング等を除去します。濡れたまま研磨・塗装しません。
4.錆・不良塗膜をケレン
状態に合う手工具・動力工具を使用し、活膜との境界をなだらかに整えます。
5.粉じんを清掃
刷毛、集じん機、清潔な布等で研磨粉を除去し、塗装可能な清浄面へ整えます。
6.錆止め・金属用プライマー
露出金属や指定範囲へ、素材と上塗りに適合する下塗りを塗布します。
7.中塗り・上塗り
製品の塗り重ね時間、使用量、乾燥条件を守り、必要な膜厚を確保します。
ケレン後に時間を空けず下塗りする理由
露出した鉄面は、水分や湿気へ触れると再び錆び始めます。また、ケレン後に時間が空くと、粉じん、手の油、雨、結露が付着する可能性があります。
素地調整後は再汚染・再発錆を避け、塗料メーカーや工事仕様で定める時間内に下塗りします。雨天、結露、露点付近、高湿度など、塗装できない条件では作業を中止します。
錆止め下塗りは、素材・錆・旧塗膜・上塗りから選ぶ
錆止め塗料にはアルキッド系、変性エポキシ系、水性系などがあり、適用下地と上塗りが異なります。上塗り塗料だけを塗るのではなく、仕様に合う下塗りを選びます。
- 一般鉄部か、亜鉛めっき・アルミ等の非鉄金属か
- 新設面か、旧塗膜が残る塗り替えか
- ケレン後も凹部に錆が残る可能性があるか
- 水性・弱溶剤・強溶剤のどの上塗りを使うか
- 旧塗膜が溶剤で縮れたり持ち上がったりしないか
- 屋内・屋外、雨掛かり、海沿いなどの環境
錆面用補助剤・錆転換材は、ケレンの代わりになる?
日本ペイントのハイポンサビスタファインのように、素地調整後も完全に除去しきれない残存錆へ使用する補助剤があります。これは凹部の残存錆へ浸透・固着し、指定された下塗りと組み合わせる製品です。
浮いた錆、剥がれた塗膜、厚い層状錆を残して塗れるという意味ではありません。
錆面用補助剤、錆転換材、錆止め兼用塗料は、適用範囲・ケレン程度・下塗り・上塗りを製品資料で確認してください。
鉄・亜鉛めっき・アルミ・ステンレスでは処理が違う
| 素材 | 主な確認 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一般鉄部 | 赤錆、旧塗膜、穴、厚み、溶接部 | 錆除去後、適合する錆止め下塗り。 |
| 亜鉛めっき・ガルバリウム | 白錆、めっき層、表面処理、既存塗膜 | 強く削って保護層を失わない。対応プライマーを選ぶ。 |
| アルミ | 酸化皮膜、表面処理、腐食、既存塗膜 | 鉄用錆止めを一律使用しない。研磨とプライマーの適合を確認。 |
| ステンレス | 表面仕上げ、もらい錆、既存塗膜 | 鉄のワイヤーブラシで異種金属を付着させない。専用下塗りを確認。 |
ケレン・塗装より、補修・交換を優先する状態
- 穴が開いている、指や工具で押すと崩れる
- 板厚が減り、波打ち・変形がある
- 手すり・階段・フェンスがぐらつく
- 溶接部、ボルト、支柱の根元が大きく腐食している
- シャッターの動作が悪く、部品・レールが変形している
- トタン屋根の重なり・固定部から雨漏りしている
- 腐食原因となる排水不良・漏水・結露が続いている
錆止め塗料は金属の強度を元へ戻しません。安全に関わる部位は、板金・溶接・交換を含めて判断します。
ケレン不足で起こりやすい不具合
- 浮いた旧塗膜ごと新しい塗膜が剥がれる
- 錆の膨張によって塗膜が押し上げられる
- 研磨粉の上へ塗り、密着不良になる
- 旧塗膜の段差から早期に剥がれる
- 油・塩分・汚れが残り、はじき・膨れが出る
- 錆止めを省略し、露出鉄部から錆が再発する
- 素材に合わない下塗りで剥離する
ケレン作業の安全対策|粉じん・火花・古い塗膜に注意
- 保護眼鏡、手袋、長袖、適切な呼吸用保護具を使用する
- 動力工具の回転方向と飛散方向を確認する
- 火花の近くに可燃物、溶剤、ガス、乾いた養生材を置かない
- 車、窓、植木、隣地を養生し、作業後に錆片・粉じんを回収する
- 高所では適切な足場・墜落防止設備を使用する
- 古い大型鋼構造物・工場設備等は旧塗膜の有害物質を事前確認する
厚生労働省は、鉛等を含む旧塗膜の剥離・かき落とし作業について、成分確認、湿潤化、集じん、保護具等の対策を求めています。成分不明の古い塗膜を大量に乾式研磨するDIYは避けてください。
鉄部塗装の見積書で確認したい項目
- 鉄部の部位・面積・数量
- 錆・剥がれ・穴・ぐらつきの現況写真
- ケレンの種別名だけでなく、除去する範囲と使用工具
- 健全な旧塗膜を残すか、全面除去するか
- 清掃・脱脂・フェザーエッジ処理を含むか
- 錆止め・プライマーの製品名、塗布回数
- 中塗り・上塗りの製品名、回数、色、艶
- 穴あき・薄さが見つかった場合の補修・追加承認方法
- 養生、粉じん回収、周辺車両・近隣への配慮
- 施工後の保証対象と、腐食・構造上の対象外
ケレン費用が変わる条件
- 錆・剥離の面積と深さ
- 手工具か動力工具か
- 旧塗膜を残すか全面除去するか
- 手すり・階段・シャッターなど形状の複雑さ
- 高所・屋根・狭所の足場と安全設備
- 養生・集じん・近隣対策
- 有害物質の調査・除去・廃棄が必要か
- 板金・溶接・部材交換を伴うか
「ケレン一式」の金額だけで比較せず、どの状態まで仕上げるかをそろえて見積もりを比較してください。
DIYでできる範囲と、業者へ依頼したい範囲
| 判断 | 例 | 理由 |
|---|---|---|
| DIYを検討しやすい | 地上の小型金物、小面積で軽い表面錆、ぐらつきなし | 手工具中心で養生・清掃・乾燥を管理しやすい。 |
| 事前相談がおすすめ | 門扉、低いフェンス、物置、部分的な剥離 | 素材、旧塗膜、錆止め、可動部への塗料付着を確認。 |
| 業者依頼を優先 | 手すり、外階段、屋根、シャッター、車庫全面、穴・変形・広範囲錆 | 転落、構造安全、動力工具、粉じん、火花、補修・交換判断が必要。 |
HookPekとしての考え
鉄部塗装は、仕上げ塗料より先に「どこまで残し、どこまで落とすか」を決めます。
HookPekでは、錆・塗膜剥離・金属の厚み・固定部・雨水のたまり方を確認し、ケレンと塗装で保護できる範囲、板金・溶接を組み合わせる範囲、交換する範囲を分けます。
見た目を一時的に隠すだけの塗装ではなく、下地処理後の状態を確認して、素材に適した下塗りと上塗りを選定します。
HookPekの鉄部塗装事例
名古屋市北区|錆と塗膜剥がれがあるトタン車庫
トタン屋根・外壁・シャッターに見られた錆と密着していない塗膜を除去し、金属用下塗り材とシリコン塗料で車庫全体を仕上げました。部位ごとの凹凸・可動部を確認しながら下地処理した事例です。
名古屋市中村区|未塗装のトタン外壁を下地から保護
未塗装だったトタン外壁の劣化状態を確認し、表面を塗装可能な状態へ整えてから金属外壁用塗料を施工しました。新設・未塗装面でも、汚れ・酸化・素材に合う下塗りの確認が必要です。
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錆びた鉄部の写真から、塗装・補修・交換の確認項目を整理できます
①鉄部全体、②錆・剥がれのアップ、③下端・固定部、④穴・ぐらつき、⑤建物との位置関係をお送りください。
写真から分かる範囲で、軽いケレンと再塗装、動力工具を使う下地処理、板金・溶接、部材交換のどれを確認したい状態か整理します。
正式なケレン範囲、下塗り、補修方法、費用は現地確認後にご案内します。
ケレン作業についてよくある質問
ケレンをせず、錆の上から塗れますか?
浮いた錆や旧塗膜を残したままでは早期剥離の原因になります。錆面用製品を使う場合も、製品が指定する素地調整が必要です。
錆は完全に落とさなければいけませんか?
不安定な錆・層状錆は除去します。凹部に残る錆へ対応する補助剤もありますが、ケレンの代替ではなく指定下塗りと組み合わせます。
住宅では3種ケレンですか?
健全な活膜を残して不良部を除去する3種相当の考え方が多いですが、部位ごとの劣化と仕様によって2種相当・4種相当の処理を組み合わせます。
4種ケレンは錆を落とさないのですか?
一般に劣化が軽い面の清掃・目荒らしが中心です。錆や不良塗膜がある部分は、その部分に必要な除去を行います。
ワイヤーブラシだけで十分ですか?
軽い錆や細部には使えますが、厚い錆・広い剥離・段差は別の工具が必要です。磨かれて固く見える錆が残っていないか確認します。
ケレン後は何日以内に塗ればよいですか?
製品・仕様・環境で異なります。再発錆・再汚染を避け、メーカーや工事仕様で定める時間内に下塗りします。
亜鉛めっきやガルバリウムも同じケレンですか?
同じではありません。保護層を傷めない処理と、素材へ適合するプライマーが必要です。
錆止め塗料を塗れば穴あきも直りますか?
直りません。金属の厚み・強度は戻らないため、板金、溶接、交換を検討します。
見積書の「ケレン一式」で十分ですか?
除去する範囲、残す活膜、使用工具、清掃、下塗り、補修範囲を記載・説明してもらうことをおすすめします。
HookPekへ車庫・手すりの錆を相談できますか?
はい。錆・塗膜剥離・穴・ぐらつきを確認し、ケレンと塗装、板金・溶接、交換のどれが必要か整理します。
参考にした公式情報
執筆者プロフィール
株式会社HookPek 代表 福田
住宅メンテナンス診断士
名古屋市瑞穂区を拠点に、門扉、手すり、外階段、シャッター、トタン車庫、金属外壁などの鉄部塗装・補修に対応しています。仕上げ塗料を塗る前に、錆と旧塗膜の状態、金属の厚み、固定部、雨水の影響を確認し、塗装で保護できる範囲と補修・交換する範囲を分けることを大切にしています。
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