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コラム遮熱塗料と断熱塗料の違いとは?部屋の温度比較で効果を検証
2024.07.09
年々猛暑が厳しくなり、夏場になると家の中にいても熱中症が心配になります。
実は塗装をすることで、熱さを和らげる効果が期待できるものがあります。
遮熱塗料と断熱塗料という塗料は、この気候変動の中で注目されています。
今回は、遮熱塗料と断熱塗料の違いと、それぞれの塗料を使用した場合の部屋の温度の比較について詳しく解説します。
遮熱塗料と断熱塗料は、いずれも建物の温度管理に役立つ塗料ですが、その特性や効果は異なります。
本記事では、これらの塗料の基本的な違いと具体的な効果、さらに部屋の温度に与える影響について、創業50年の塗装屋の私が説明し、読者の皆さんに有益な情報を提供します。
目次
遮熱塗料とは
定義と特性
遮熱塗料とは、太陽光を反射して建物の表面温度を下げる塗料です。
太陽光には紫外線、可視光線、赤外線が含まれており、これらが建物に吸収されると温度が上昇します。
遮熱塗料はこれらの光を反射することで、建物への熱の吸収を抑制します。
夏場のエアコン費を抑える効果が期待されており、注目されています。
主な成分と仕組み
遮熱塗料には、特殊な顔料が含まれており、これが太陽光を反射する役割を果たします。
これにより、建物の表面温度が低下し、内部温度の上昇を抑える効果があります。
特に、夏季の高温対策として有効です。
メリットとデメリット
【メリット】
遮熱塗料のメリットは下記のものになります。
①冷房費の削減
建物内部の温度上昇が抑えられるため、冷房の使用頻度が減り、エネルギーコストの削減につながる。
②環境負荷の軽減
冷房使用量が減ることで、CO2排出量が削減され、環境保護にも貢献できる。
③建物の劣化防止
高温による建物の劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばすことが出来る。
【デメリット】
遮熱塗料のデメリットは下記のものになります。
①初期費用の高さ
遮熱塗料は通常の塗料よりも1.5~2倍ほど高価です。
冷房費の削減による節約なども考慮したうえで、遮熱塗料の使用を検討しましょう。
②効果の限定
遮熱効果は主に夏季に限定され、冬季には効果が薄いです。
断熱塗料とは
定義と特性
断熱塗料とは、塗膜が熱を伝えにくい特性を持つ塗料です。
これにより、外部の熱が内部に伝わりにくくなり、逆に内部の熱が外部に逃げにくくなります。
断熱塗料は建物全体の温度管理に有効です。
主な成分と仕組み
断熱塗料には、微細な中空セラミックビーズや断熱性の高い物質が含まれています。
これらの成分が塗膜内に含まれることで、熱の伝導を抑制します。
断熱塗料は、夏季と冬季の両方で温度管理に効果があります。
メリットとデメリット
断熱塗料のメリットは下記のものになります。
【メリット】
①年間を通じた温度管理
断熱効果により、夏は涼しく冬は暖かく過ごせます。
②エネルギー効率の向上
冷暖房の効率が向上し、エネルギーコストの削減につながります。
③居住環境の快適性向上
室内の温度変化が少なく、快適な居住環境を維持できます。
【デメリット】
①初期費用の高さ
断熱塗料も通常の塗料よりも高価です。
通常の塗料の2~2.5倍くらい効果です。
②施工の難しさ
通常の塗料とは混入物が違うため、断熱効果を最大限に発揮するためには、適切な施工が必要です。
遮熱塗料と断熱塗料の部屋の温度比較
ここでは、遮熱塗料と断熱塗料の比較を室温の温度比較をもとにして解説していきます。
夏季の効果比較
【遮熱塗料】
遮熱塗料は太陽光を反射することで、建物の表面温度を下げます。
これにより、内部の温度上昇を抑制します。
例えば、外気温が35度のとき、遮熱塗料を使用した建物の表面温度は約30度まで低下し、内部温度も数度下がることが期待されます。
【断熱塗料】
断熱塗料は外部からの熱の侵入を防ぐと同時に、内部の冷気が外部に逃げるのを防ぎます。
断熱効果により、室内温度は安定しやすく、外気温が35度の場合でも、内部温度を25度前後に保つことが可能です。
冬季の効果比較
【遮熱塗料】
冬季には遮熱効果が逆効果になることがあります。
外部の太陽光を反射してしまうため、室内温度の上昇を妨げる可能性があります。
従って、冬季の断熱効果は期待できません。
【断熱塗料】
断熱塗料は冬季にも効果を発揮します。
外部からの冷気の侵入を防ぎ、内部の暖かい空気が逃げにくくなるため、暖房効率が向上します。
外気温が0度の場合でも、室内温度を20度前後に保つことができます。
遮熱塗料と断熱塗料の選び方
遮熱塗料と断熱塗料を選択する際のポイントを解説します。
①目的に応じた選択
夏季の冷房費削減を重視する場合は遮熱塗料が適しています。
特に、暑い地域や日差しが強い場所では有効です。
年間を通じた温度管理を重視する場合は断熱塗料が適しています。
夏も冬も快適な室温を維持したい場合に最適です。
②コストパフォーマンスの考慮
【遮熱塗料】
初期費用は高いものの、冷房費の削減効果が期待できます。短期的な効果を求める場合に向いています。
【断熱塗料】
初期費用は高いですが、年間を通じて冷暖房費の削減効果が期待できます。
長期的なコスト削減を求める場合に適しています。
まとめ
遮熱塗料と断熱塗料は、それぞれ異なる特性と効果を持っています。
遮熱塗料は夏季の高温対策に効果的で、冷房費の削減に寄与します。
一方、断熱塗料は夏季と冬季の両方で効果を発揮し、年間を通じて快適な室温を保つことができます。
自分の住環境や目的に応じて、適切な塗料を選ぶことが重要です。
遮熱塗料と断熱塗料の選択でお悩みの方は、ぜひ今回の内容を参考にしてください。
弊社でもお客様からヒアリングをさせていただき、最適な塗料をご提案いたします。
私たちの経験と技術で、皆様の住まいを守り、美しく保つお手伝いをいたします。
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