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コラム

「徹底解説」日本古来の自然塗料柿渋について解説します!!

ハウスメンテナンス

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柿渋は、未熟な渋柿を砕いて搾った液を発酵・熟成させてつくられる、日本で古くから使われてきた塗料・染料です。木材、紙、布、漁網などへ用いられ、時間とともに深くなる褐色の風合いが特徴です。

現在販売されている柿渋には、伝統的な臭いのある製品、臭いを抑えた製品、顔料入り、建材用など複数の種類があります。「柿渋だから屋内外どこでも使える」「自然塗料だから誰にでも安全」と考えず、製品と下地を確認することが失敗を防ぐポイントです。

この記事の結論

柿渋塗料は、無塗装で吸い込みのある木部へ、薄く塗り重ねながら経年変化を楽しむ仕上げです。

  • 柿のみの製品、無臭タイプ、顔料入り、建材用などの違いを確認する。
  • ニス・ウレタン・ワックス・撥水剤が残る下地へ、そのまま塗らない。
  • 同じ木材・研磨状態で試し塗りし、数日以上の色変化を確認する。
  • 鉄製容器・金物・鉄粉に触れさせず、黒変を防ぐ。
  • 屋外・水回りは、製品の適用と必要な上塗りを確認する。
  • 腐食、雨漏り、ぐらつき、シロアリ被害は塗装より先に修理する。

この記事は、こんな方に向けて書いています

  • 柿渋塗料の特徴と塗り方を知りたい方
  • 伝統的な柿渋と無臭柿渋を比較したい方
  • 柱、梁、家具、建具、古民家の木部へ塗りたい方
  • 塗装直後と完成後の色が違う理由を知りたい方
  • 屋外木部や水回りにも使えるか確認したい方
  • 既存ニスを落として柿渋仕上げへ変更したい方

柿渋とは|未熟な渋柿の搾汁を発酵・熟成させた塗料・染料

柿渋は、渋みの強い未熟な柿を粉砕・圧搾し、搾った液を発酵・熟成させたものです。主な特徴に関係する成分として、柿タンニンが知られています。

伝統的には木材、紙、布、漁網などの着色・補強・保護に使われてきました。現代では、建材用、工芸用、染色用、臭いを抑えた製品など、用途別に販売されています。

現在の柿渋製品は一種類ではない

製品の例特徴確認すること
伝統的な柿渋発酵由来の特徴的な臭いがあり、時間と光で褐色へ発色臭い、熟成、用途、希釈、保管温度。
無臭・消臭タイプ発酵臭を抑え、室内施工へ配慮した製品「無臭」の程度、成分、建材・染色などの用途。
建材用柿渋木部・建材・おもちゃ等の用途やF☆☆☆☆登録がある製品登録番号、学校環境衛生基準、塗布面積、SDS。
着色柿渋・弁柄入り柿渋に顔料を組み合わせ、古色・赤褐色・黒色等を表現顔料の沈殿、攪拌、色移り、仕上げ塗り。
柿渋オイル・複合製品植物油・ワックス・樹脂等を組み合わせた製品純粋な柿渋とは塗り方・乾燥・安全処理が異なる。

柿渋塗料の特徴|色・風合い・木材保護

  • 木目を隠しにくく、素材の表情を残した褐色仕上げになる
  • 塗装直後より、時間と光によって色が濃くなる
  • 塗布回数と濃度によって色の深さを調整できる
  • 木材、紙、布へ使用できる製品がある
  • 防腐、防虫、耐水、消臭等の特性が紹介される製品がある
  • 水系で、使用後の刷毛を水洗いできる製品がある

性能は製品・下地・塗装回数・試験条件で変わります。
柿渋を塗れば腐朽・シロアリ・雨漏りを防げる、屋外で防水材の代わりになるとは考えないでください。

「自然塗料だから無害」とは限らない|製品単位で確認

玄々化学工業のG-NATURE天然柿渋には、成分表示「柿」、F☆☆☆☆登録、学校環境衛生基準適合などの表示があります。ただし、これは対象製品の情報です。

柿渋製品全体について、次のような断定は避けます。

  • すべての製品が柿だけでできている
  • アレルギーや皮膚刺激が起きない
  • 子どもやペットが舐めても問題ない
  • 飲用・医薬用に使える
  • 手袋、養生、換気が不要

作業時は製品説明に従い、ゴム手袋、汚れてもよい服、必要な換気を行い、子ども・ペットが触れないよう管理します。

伝統柿渋と無臭柿渋の違い

伝統的な柿渋には、発酵による特徴的な臭いがあります。塗装後に臭いが弱くなる製品もありますが、臭いの感じ方、換気条件、塗布量、室温で差があります。

現在は臭い成分を抑えた「無臭柿渋」「消臭タイプ」も販売されています。室内で使用する場合は、次を確認してください。

  • 本当に臭いを抑えた製品か、伝統的な柿渋か
  • 施工中・乾燥中の換気方法
  • 家具・収納・寝室など臭いがこもる場所か
  • 使用再開までの乾燥時間
  • 家族が臭いへ敏感でないか

柿渋の色は、塗った直後より後から濃くなる

柿渋は、塗布後に光や酸化の影響を受けて発色が進みます。塗装直後は薄く見えても、数日から数週間程度で褐色が深くなる場合があります。

  • 塗装直後の薄さを見て、すぐ重ね塗りしすぎない
  • 同じ樹種・研磨番手の端材で試し塗りする
  • 日当たりの違う場所で色差が出ることを考慮する
  • 木材の吸い込み、節、木口で濃淡が変わる
  • 全面施工前に、乾燥後・発色後の色を確認する

柿渋は鉄分に触れると黒く変色する

柿タンニンは鉄分と反応し、黒く変色します。この性質は伝統的な黒色仕上げにも利用されますが、意図しない鉄粉や金物へ触れると黒い点・筋・染みになります。

  • 鉄製の容器・刷毛・攪拌棒を使用しない
  • 釘・ビス・金物を養生する
  • 研磨後の鉄粉・もらい錆を清掃する
  • 鉄製脚立・工具から液が垂れないようにする
  • 衣服・床・外壁へ付着しないよう広めに養生する

柿渋を塗りやすい素材・場所

素材・場所適性の考え方注意点
無塗装の無垢木材吸い込みがあり、柿渋の色・木目を活かしやすい樹種、油分、研磨、含水状態を確認。
柱・梁・天井板伝統的な褐色・古色仕上げに向く高所養生、既存ワックス、金物、色むら。
家具・建具木目を残した着色仕上げを検討できる手垢、水、摩擦、収納内部の臭いを確認。
紙・布・工芸品染色・補強用途の製品がある住宅木部用とは濃度・工程が異なる。
古民家・和風内装経年変化を含む風合いを活かせる新旧木材で色差が大きくなる場合がある。

既存ニス・ウレタン・ワックスが残る木部へ、そのまま塗らない

柿渋は水のように浸透する製品が多いため、表面に造膜型塗料やワックスが残っていると、はじき、色むら、密着不良が起こります。

  • ニス・ウレタン・ペンキの塗膜
  • ワックス、シリコーン、撥水剤
  • 油分が多い木材・油汚れ
  • 化粧シート、樹脂シート、メラミン
  • 表面が薄い突板・合板で、研磨できないもの

既存塗膜を除去する場合は、木材の厚さと状態を確認します。化粧単板・突板は削りすぎると基材が露出するため、製造元や専門業者へ相談してください。

屋外木部・水回りで使えるかは製品仕様で判断

柿渋の屋外適性は、販売元によって案内が異なります。屋内・外木製品へ使える建材用製品がある一方、伝統柿渋・弁柄仕上げでは、屋外に植物オイル等の上塗りを推奨する販売元もあります。

使用場所確認すること
ウッドデッキ歩行摩耗、雨、地面との距離、表裏・木口、上塗り、再塗装周期。
木製玄関ドア既存塗膜、直射日光、雨掛かり、金物、扉の反り。
外壁木部・フェンス紫外線、雨水、裏面通風、地際、固定部、隣地への飛散。
キッチン・洗面水滴、油、洗剤、摩擦、食品が触れる用途、必要な上塗り。

柿渋を「防水塗料」として扱わず、雨漏り・防水層・排水の問題は先に修理します。

塗装前に、腐食・カビ・雨漏り・シロアリを確認

状態柿渋塗装前の判断
軽い汚れ・色あせ清掃・研磨・乾燥後、試し塗りを検討。
黒ずみ・カビ表面汚れか、結露・漏水・通風不足が原因か確認。
柔らかい・沈む・崩れる木材交換を検討。塗装では強度が戻らない。
割れ・反り・ぐらつき固定・補修・交換後に塗装を検討。
雨漏り・排水不良雨の入口、防水、雨樋を修理して乾燥させる。
シロアリの痕跡専門調査を行い、被害範囲と構造安全性を確認。

木部へ柿渋を塗る基本手順

1.製品と用途を確認

伝統柿渋、無臭タイプ、建材用、着色タイプのどれかを確認し、屋内外・木部・工芸用途を合わせます。

2.周囲を養生

衣服、床、壁、金物、鉄部へ付着すると取れにくく、後から発色します。広めに養生します。

3.清掃・研磨

汚れ、旧塗膜、ワックスを除去し、木目に沿って研磨します。研磨粉を十分に清掃します。

4.試し塗り

同じ木材・研磨状態で、希釈、塗布回数、乾燥後の色、数日後の発色を確認します。

5.木目に沿って薄く塗る

水性塗料用刷毛や指定用具を使い、液だまり・気泡が残らないよう均一に塗ります。

6.必要に応じて拭き取り

製品説明に従い、表面の気泡や塗りむらを清潔な布で軽く整えます。

7.十分乾燥後に塗り重ね

指触だけでなく、製品指定の乾燥時間と発色を確認してから次の工程へ進みます。

希釈・塗布量・回数は製品ごとに確認

公式製品でも、原液2回塗りで1.8Lあたり約15~20㎡とする建材用製品、原液1Lで約10㎡・1回塗りを目安とする製品など、表示は異なります。

  • 指定がない製品を自己判断で薄めない
  • 希釈する場合は水の種類・割合・使用期限を確認する
  • 木口、荒い木材、吸い込みの大きい木材は使用量が増える
  • 濃い原液を一度に重ねず、薄く複数回で色を調整する
  • 希釈液と原液を保管時に戻し混ぜない
  • 必要量だけ別容器へ取り分ける

乾燥時間と養生|発色が落ち着くまで急がない

乾燥時間は製品、塗布量、温度、湿度、風通し、木材によって変わります。メーカー例では約24時間後に必要に応じて塗り重ねる案内がありますが、全製品共通ではありません。

  • 低温・高湿度・厚塗りでは乾燥が遅れる
  • 乾燥中は換気し、ほこり・水・手垢を避ける
  • 家具・建具は衣服や壁への色移りを確認する
  • 塗装直後の色で追加塗装を決めない
  • 十分乾燥するまで水拭き・洗剤・強い摩擦を避ける

柿渋塗装で失敗しやすい原因

  • ニス・ウレタン・ワックスの上から塗る
  • 試し塗りをせず、塗装直後の色だけで重ねる
  • 鉄製容器・金物・鉄粉へ触れ、黒い染みが出る
  • 木材の汚れ・油・研磨粉を残す
  • 一度に厚く塗り、気泡・液だまり・むらをつくる
  • 屋外適性を確認せず雨掛かりへ使用する
  • 腐食・雨漏り・カビ原因を直さず上から塗る
  • 希釈液を長期保管し、変質・固化させる
  • 衣服・床・壁の養生が不足する

日常清掃・色あせ・再塗装

柿渋仕上げは、使用環境に応じて色・艶・撥水性が変化します。屋内と屋外、手が触れる場所と天井板では、メンテナンスの頻度が異なります。

  • 乾いた布や柔らかい用具でほこりを除去する
  • 水・油・洗剤を長時間放置しない
  • 強い洗剤・溶剤を自己判断で使用しない
  • 摩耗・白化・色むらは清掃・研磨後に試し塗りする
  • 屋外木部は腐食、固定部、排水、上塗りも点検する
  • 以前の製品名・希釈・塗装回数を記録しておく

DIYで塗りやすい範囲と、業者へ依頼したい範囲

判断理由
DIYを検討しやすい端材、小型家具、低い位置の無塗装木部試し塗り、養生、乾燥、色変化を確認しやすい。
事前相談がおすすめ建具、テーブル、柱・梁、玄関木部既存塗膜、金物、色むら、摩耗、水への対応が重要。
業者依頼を優先床全面、高所、木製外壁、デッキ、塗膜全面剥離、腐食・雨漏り下地調査、粉じん・養生、乾燥管理、補修・交換判断が必要。

HookPekとしての考え

柿渋を使うかどうかより先に、木材が浸透型仕上げへ適した状態かを確認します。

木製玄関ドア、縁側、柱・梁では、既存ニス・ウレタン、腐食、雨の当たり方、金物、木材の厚さによって、剥離・研磨・交換・仕上げの工程が変わります。

HookPekでは、柿渋を使用することを前提にせず、希望する色・風合いと木材状態を確認し、メーカー仕様に適合する場合に候補として検討します。

木部塗装・補修の判断が分かる参考事例

以下は木部の下地処理・補修を考える参考事例です。柿渋を使用した施工事例として掲載するものではありません。

木製玄関ドア|古い塗膜を除去して木目を再生

劣化した既存塗膜を除去し、木部を研磨してから着色・保護仕上げを行いました。柿渋などの浸透型仕上げへ変更する場合にも、既存塗膜をどこまで除去できるかが重要です。

▶ 木製玄関ドアの塗装・再生事例を見る

縁側|腐食材を交換し、使用できる木材を保護

腐食した床板は交換し、まだ使用できる木部へ保護塗装を行いました。柿渋の特性にかかわらず、柔らかく崩れる木材は塗装では強度が戻りません。

▶ 縁側の木部交換・保護塗装事例を見る

名古屋市の地域ページ

木部の写真から、塗装・剥離・交換の確認項目を整理できます

柿渋製品の販売代行ではなく、住まいの木部状態と施工方法のご相談です。

①木部全体、②表面のアップ、③剥がれ・黒ずみ・腐食、④屋内外、⑤以前の塗装が分かる資料をお送りください。

写真から分かる範囲で、既存塗膜除去、試し塗り、柿渋仕上げの適否、別塗料、木材交換のどれを確認したい状態か整理します。

電話:052-846-2779

柿渋塗料についてよくある質問

柿渋は何からできていますか?

未熟な渋柿の搾汁を発酵・熟成させたものです。ただし、市販製品には顔料や植物油等を組み合わせた製品もあるため成分表示を確認します。

柿渋は無臭ですか?

伝統的な製品には発酵由来の臭いがあります。臭いを抑えた無臭・消臭タイプもありますが、製品と施工環境によって感じ方は異なります。

柿渋は子どもやペットがいる家でも使えますか?

製品ごとの成分・用途・安全表示を確認し、施工中・乾燥中は触れないよう管理します。自然由来だけを理由に安全と断定しません。

塗った直後より色が濃くなるのはなぜですか?

柿タンニンが光や酸化の影響を受けて発色するためです。塗装直後ではなく、数日以上の変化を見て塗り重ねを判断します。

柿渋が黒くなったのは失敗ですか?

鉄分と反応した可能性があります。鉄製容器、金物、研磨粉、もらい錆などを確認してください。

古いニスの上から柿渋を塗れますか?

通常は均一に浸透しません。既存塗膜を除去できるか、木材の厚さと状態を確認します。

柿渋は屋外のウッドデッキに使えますか?

製品によります。屋外木部へ使える製品もありますが、植物オイル等の上塗りを推奨する仕様もあるため、製品説明と雨掛かり条件を確認します。

柿渋を塗れば木材は腐りませんか?

腐朽を完全に防ぐ保証はありません。雨漏り、排水不良、地面との接触、腐った木材は先に修理・交換します。

柿渋は何回塗ればよいですか?

製品、希釈、木材、希望色で異なります。試し塗りを行い、製品説明の回数・乾燥時間を守ります。

HookPekへ柿渋塗装を相談できますか?

木製ドア、縁側、柱・梁などの木部状態をご相談いただけます。既存塗膜と木材を確認し、柿渋を含む仕上げ候補の適否を検討します。

参考にした公式情報

執筆者プロフィール

株式会社HookPek代表 福田

株式会社HookPek 代表 福田
住宅メンテナンス診断士

名古屋市瑞穂区を拠点に、木製玄関ドア、縁側、柱・梁、外装木部などの塗装・補修を含む住宅メンテナンスに対応しています。自然塗料という名称だけで決めず、木材、既存塗膜、腐食、水分、使用場所、希望する仕上がりから施工仕様を検討することを大切にしています。

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